いつものサテンでまた

生きてると、まーいろんな人に会うもんですわ。

許してほしいなら読んでね

 

f:id:MegItsuki0:20210909062314j:image

 

 

ごきげんよう

 


私よ。クエスティーナ。

 


この手紙を読んでるって事は、あなたは無事に外で暮らせているのね。

 


いいなあ。

 


私も、アルミナ製の体に生まれたかった。

 


ちなみに言っておくけど、何も言わずに私を置いて行った事、まだ恨んでるのよ。

 


だって、聞いてよ。

 


シェルターの中は、とっても寒いわ。

 


エアコンまで頭がおかしくなったみたいで。

 


これじゃ、余計に外の世界がめちゃくちゃに…。

 


そうなっても私には関係ないかしら?

 


ふと、考える時があるの。

 


もしもシェルターが壊れてしまったら、死んでしまう。

 


どのくらい苦しむのかしら?

 


できれば一瞬で終わってほしいな。

 


こんな暮らしをしていたら、生きているのが馬鹿らしくなる。

 


というか、馬鹿だわ。

 


退屈で干からびてしまいそう。

 


朝食のデニチックは、やっぱり美味しくない。

 


一日十二時間、ネジを回すだけの仕事…ノイローゼになりそう。

 


下級生物って罵られているような気分。

 


夜にはカビ臭い毛布で、凍えないようにお腹を守りながら、必死に、あなたの歌声を思い出しながら眠りにつくの。

 


ねえ。

 


私はまだ、あなたを恨んでいる。

 


だけど、あなたが私に「愛してる」と言ったのは嘘じゃないって信じてる。

 


黙っていなくなった事を少しでも申し訳ないと思うなら、

 


私を助けて。

 


P.S.

ご存知でしょうけど、あのロボット探偵チームが、あなたを探しているわよ。どうか、うまくやってちょうだい。

 

 

f:id:MegItsuki0:20210909061553j:image

 

ゴメンネ