どーーーーでもいい!!!!!
全く、腹が立って、立ちすぎて、もう腹が東京タワーになった気分!
俺はずっと疑問だった…。
なぜ世界は、こんなにも退屈なのか!?
だから、俺が喝を入れてやる。
しっかり、お気に入りのスーツで、挑むぜ。
お。
さっそく街中で話してるカップル発見だ。
「ダーリン、もし赤ちゃんができたら名前は何にしようかしら?」
「そうだな、男でも女でも、僕たち二人の名前の漢字を使いたいな」
「まあ素敵!」
いざ特攻。
事前に発声体操もやってきたし。
思い切り叫ぼう!
「おい、お前らーーー!」
二人は、ビックリして固まってる。
いい気味だぜ!バーカ。
「お前ら!!そんなの、俺にとっちゃ、どーーーでもいいんだよーー!!!」
二人は顔を見合わせて、どこかへ歩き去った…。
今ごろ反省してるはずだ。
よし、もういっちょ。
お!
大学生が駅前で喧嘩してる。
「あのさ、まずお前が誘ったんだよ」
「具合悪かったんだから仕方ないだろ!」
「だからって、二時間も遅れたんだぞ?遅刻するなら連絡しろよ」
「てか服ダサすぎw」
「お前ら…もういいだろ?早く行こうぜ」
よし。
特攻だ!!
いくぜ。
「おい、ゴラァ!!!」
「え?」
「お前らの個人的な話は、どうでもいい!!!黙れーーーーー!!!!!」
大学生グループは笑いながら歩き去った。
仲直りしたのか?
こりゃ、俺のおかげか。
まったく、世話が焼けるぜ。
さて次は…
っと。
そこに小声で電話してる女がいる!
耳を澄ませて、チェックしよう。
「本当よ…私があの人、殺してしまったの…お願い助けて」
ほう。
「女の力で、あんなの解体できない。あなた手伝ってくれたら、いくらでも出すから…助けて」
特攻決定。
「おい、このクソビッチ!!!そんな、どーでもいい話やめてくれよ!!!」
女は悲鳴をあげて走り去った。
殺人犯も驚くほど俺の言葉は心に響く素晴らしいものなんだな、と、しみじみ。
やっぱ、いい事するって最高だなぁ。
次は。
あっ。
女子高生が叫んでるじゃないか。
「この人チカンよ!誰か捕まえて!」
屈強そうな男が、ハゲジジイを捕まえた。
「す、すみません…いい尻だったんで、ふふふ」
「キモい!警察を呼びますからね」
屈強そうな男は、ジジイを捕まえたまま、電話をかけ始める。
うわー特攻しなきゃ。
「おい!!!どーでもいい話すんな。せっかくの公共の場だぜ!?」
屈強そうな男が睨んでくる。
「おっさん、今忙しいんだよ。あっち行ってくんねーかな?」
俺は負けない。
「うるせ!お前達が、つまんない話するから、いけないんだよ」
女子高生が傘を持って殴りかかってくる。
俺は逃げた。
はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。
どのくらい走っただろうかね?
気づけば俺は、マラソン大会で走る人達に、間違えて混ざっていた。
空気を読んで走り切ったけど。
優勝しちゃったよ。
インタビュアーが、マイク向けてきた。
「すごいです!スーツに革靴で、鞄を持ったまま、優勝だなんて。どうして、そんな格好なんです?」
腹立つな。
「どーでもいい!!さよなら」
逃げた!
俺、足速すぎる。
そして次は、葬儀場に来た。
喪服を着た女性2人が話してる。
「あの人、あなたに会いたがっていたわ」
「あら私に?どうしてかしら」
「だって私達が出会ったのは、あなたがバーベキューパーティーに誘ってくれたからよ」
「そうだったわね。懐かしいわ」
「また、みんなで行きたいって話してたのよ」
女は、自身の腹に手を当てて、涙ぐむ。
「この子も、いつか…って」
特攻だ。
「おい!!ブス!!」
呆然とし、視線だけ、こちらにやる女二人組。
「そんな話、どーーーーーでもいい!!!黙ってろや。つまんねぇよ」
腹に手を当てていた女が、
優しく微笑んだ。
「あなた、あの人に、そっくりだわ」
そして俺達は結婚した。
女は、超ドMだったようだ…。
今は綺麗な嫁さんと、可愛い子供と、楽しく暮らしながら、どうでもいい話・撲滅運動をしている。
てか、このブログ、どーでもよくねぇか?
終