あなた、死にますよ 2
この話には前編があります。一つ前の記事から、お楽しみください。
忙しなく動き回ってるうちに、夜。
さすがに閉店の時間が近付けば、お客さんは減って、静かな喫茶店らしい喫茶店に。
本当は落ち着いた雰囲気の喫茶店で働きたかったから、夜は私にとって最もマシな時間。
新聞ギャルだけが変わらずに、新聞を読んでるけど、あの人、新聞を読むのに何時間かけてんだろうか。
デート明けの日の夜は、さすがに寝不足なもんで、うとうとする。
チリン。
レジのベルが鳴って、向かう。
新聞ギャルが、ようやく帰ってしまう。
お会計を済ませ、あくびをし、窓から外を見ると、新聞ギャルも眠そうに、あくびをしながら歩き去って行った。
午後9時半。
後30分もしたら閉店し、掃除して帰るのみだ。
さっさと帰りたい。
そう思うと、働く力が湧いてくる。
さっさと終わらせるんだ。
新聞ギャルが座ってた席へ、片付けに向かう。
食器を下げ、テーブルを拭き、椅子…。
椅子に、忘れ物をしている。
学生証だ。
あの人、大学生だったのかぁ。
!
名前が…。
井梅セイコ。
生年月日は、私と同じ。
証明写真も…私と同じ?
そっくり、すぎる。
力が抜けて、その場に、へたり込む。
すると、彼女が置いて行ったであろう新聞記事が目に入る。
「九川リョウコ 茶吹山で遺体発見
状態は最悪 滅多刺しの 凶器はどこへ」
続く